関西エリアの百貨店を中心に、約１４年間の販売を経て、かねてから希望を出していた営業部署の配属となりました。２０１６年９月からは「ポール・スミス コレクション」の営業を担当しています。業務の基本は「売り場の環境づくり」。現在、百貨店６店舗、専門店１店舗を担当していますが、具体的には各ショップのマネジメント、スタッフの全体的な管理、商品供給、取引先との打ち合わせによる各店舗に合わせた販売計画や販売促進、商品提案など実に幅広いです。さらに、ブランド内の各セクション（MD・ショップスーパーバイザー・企画等）と連携しながら、今後のビジョンを取りまとめていくという役割もあります。

　常日頃から心がけていることは、視野を広く持つこと。そして、売上拡大や利益追求にとどまらず、ブランドをより良くするために、各セクションをリードしながらも万能なサポート役に徹すること。そのためにはブランドに関わるすべての人、部署をふまえた「全体像」をしっかり把握しておくことが欠かせません。ブランドに対する思いや考えは百人百様ですが、お客様の手に届くまでの「かじ取り役」がぶれてはいけませんから。

東京本社への異動は、僕のキャリアにおける転機です。

僕のターニングポイントとなった大阪支社から東京本社へ異動は、２０１５年のことです。東京に来てまず思ったことは、関西とのマーケットの違い。そして、スペシャリストが揃う各セクションが集まっており、西日本の意見を聞きながらも、ブランドの方向性を決定づける発信拠点は東京なのだと再認識しました。この業界で勤めていくうえで、東京で仕事ができることは確かにプラスになっているし、チャンスをいただいたなと思っています。

　この商売では、「飽きる」という三文字が最もタブーな言葉です。このご時世でファッションブランドを発展させていくためには、変化を恐れずに楽しむ気概が重要だと思います。同じことをして慣れるのではなく、様々な角度から、ストイックに追求することがとても大切なのです。また、当社は「人を見あえる会社」でもある。それは、身近で頑張っている人たちに触発されたり、刺激をもらったり、叱咤激励があったりと互いを鼓舞しあえる、風通しの良い人間関係があるということに他なりません。僕にとって「飽きない会社」だということが、２５年間勤めている一番の理由なのです。