入社して初めてアパレル販売の仕事に携わりましたが、「店頭のスタッフは、お客様から直接ありがとうと言われる数少ない職業」という入社後研修でのトレーナーの発言は、今でもとても印象に残っていて、実際の接客中にふと頭をよぎる言葉です○たくさんのお客様と接するなかで、時に、私の個人的な意見を求められることもあります。最初は難しさを感じていましたが、今では素直に話をすると私の意見を採用してくださるお客様も少なくありません。十人十色の「ありがとう」の価値を実感する日々をおくっています○「良いものを良い店員から買えた」と喜んでいただき、間をあけずに再来店してくださると私の喜びはさらに大きくなるのを感じます○そうして喜びは、喜びを生み出していくのかもしれません○そんな中、ECのページをみせられて「これをください」と一言で接客が終わってしまう場面も増えてきました。ただ私は、視点を変え、ワンクリックで購入せずにお店に足を運んでいただけることをプラスに受け止めています○店頭での販売にはネット上では再現できない良さが絶対にある○お客様のニーズに耳を傾け、一緒に悩み、提案する。こうした時間こそが、色々な人や部署が関わった商品を、最終的にお客様の手元に届ける、販売スタッフがお店にいる意味だと思っています。もちろん責任は重大ですね○ヴィヴィアン・ウエストウッドにしかないユニークなデザインはもちろん、ブランドのアーカイブコレクションから引用するアプローチも多くあり、服それぞれの特徴を見つけるのがいつも楽しいですね○仕事を通してますますブランドのことが好きになっています○顧客様との会話の折々で学ぶこともありますが、歴史的な部分などもっと知識を身につけていかなくてはと思います○大学では人体とパターンの関係を中心に服飾を学んできました。それを活かすことのできる企画・生産といった部署で服を作る側として関わることが、理想の将来像です。
Ruru Kezuka
毛塚 瑠々
ショップスタッフ