11年間在籍したポール・スミス スペース店の店長を退任することが決まった時、実にたくさんの顧客が来店くださったことは、今でも忘れ難いですね○北海道から東北、関西、九州まで○遠方から足を運んでくださり、勤務最終日には大型台風直撃の悪天候にもかかわらず「雨風で電車が止まりそうなので車で来た」という方も○私にとっても思い出深いポール・スミスの洋服や小物を身にまとってお越しになり、これ以上にない喜びを感じる最後の数週間でした○私たちの仕事はお客様のライフスタイルに半歩だけ足を踏み込んだところにあります○格好良くなりたい。可愛くなりたい。時には、沈んでいた気分を変えるきっかけを与えることさえある。ニーズに応える仕事ができれば、些細に思えることでもお客様がハッピーになる助けになるのだと身をもって知りました○多方向にアンテナをはっての観察と情報収集、実生活のなかで疑問を持つ感覚は心に留めています○若い世代が来店するようになり買い物の仕方が変わったと感じるのもそのひとつ。SNSの登場で一般の方が投稿されたファストファッションの着こなしがまたたくまに「いいね」を集めてはそれがお洒落の代表のようになる……○いま、本当に良いものとは何か? 個性が着こなしをつくる時代は終わったのか?○私たちは特定のお客様だけに対応するわけではないので、時代の流れを汲みつつ考え方を柔軟に更新する力は不可欠です○ただ同時に失われてはならない「古き良きもの」を伝承し守っていくことも大切だと思っています○販売スタッフから店舗運営トレーナーという立場になり、「教える」「育てる」「伝える」ことに対して日を増すごとに興味が湧いてきています○顧客づくりに強いスタッフをたくさん輩出したいですし、自分らしく、楽しく仕事が続けられる環境づくりを目指したい。仕事の中に面白さを発見し、いつも挑戦を続けていきたいですね。
Katsuhisa Hashimoto
橋本 克久
店舗運営